人事部の女神さまの憂いは続く
その様子を見ていた香織さんが
「ゆりはさ、色々考えてたけど、そうやって素直にふじっきーに甘えたらいいんじゃない?女癖悪いのは治るかわかんないけどさ、ゆりのためならなんでもしてくれるんじゃなかったけ?」
最後は藤木さんに釘をさすように言う。
藤木さんの視線を向けると、頷いてギュッと手を握ってくれて、大好きなその手に安心してしまう。この手を握っていたら大丈夫かもしれないって思えた。
「香織さん、立花さん、本当にありがとうございました。このご恩は必ず」
頭を下げたところで
「掃除してもらったしOKだよー。でも、なんなら、またオーパスワンでもいいけど」
なんて香織さんのおかしそうな声が降って来る。それに、はい、と大きな声で返事をして3日間お世話になった立花家を後にした。
こうして長いようで短かった私の家出は幕を閉じた。