人事部の女神さまの憂いは続く
「私以外の女の人に触らせないで。私が触られてたら、ちゃんと俺のだからって言って」
あの日の嫌な場面を思い出しながら言うと
「うん。女は近寄らせないし、お前のこと守るのは俺の仕事。他にない?」
言いながら見つめる瞳から私のことを大事に想ってくれていることが伝わってくる。もう、それだけで充分な気がして、ない、と言うと、俺はあるよ、と言われる。なに?と首をかしげると
「もう家出はやめて。どんだけ怒ってても、どんだけ混乱してても、家には帰ってきてよ。頼むよ」
最後は弱弱しくなった藤木さんに胸が押しつぶされそうになる。
この3日間、私もつらかったけど一方的に出ていかれた藤木さんも、もっと不安でつらかったんだ。
「ごめんなさい」
と言うと、チュっと軽いキスが降りてきて「約束な」と言われる。ようやく藤木さんの顔に浮かんだ笑みがまぶしくて、やっぱり大好きだなって思う。