人事部の女神さまの憂いは続く

その様子を眺めていると

「これ、どうする?お前、何人ぐらい呼ぶ?」

“ゲスト人数”と書かれた欄を指さしている。

ゲストかぁ、考えたことなかったなと思いながら、まず思い浮かぶのは家族と会社の人。あとは、学生時代の友達?地元の友達は遠すぎるから来てもらうのもなぁ、なんて悩みながら

「藤木さんは?」

聞いてみると

「お前に合わせるよ」

なんていわれてしまう。そう言われてもなぁ、と迷っている間にお姉さんが戻ってきてしまった。

埋まりきらない質問用紙に目を落として

「これから色々とお決めになられていくところなんですね」

何も決まっていない私たちをフォローしてくれながら会場を案内してくれる。

「お天気のいい日には、こちらのガーデンで挙式やデザートビュッフェなんかも楽しんでいただけるんですよ」

お姉さんの声を聞きながら、素敵なガーデンに立ってみるけどいまいち想像ができない。
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