人事部の女神さまの憂いは続く

そしてその後は、焼酎の酒蔵に連れて行ってくれた。

そこで自分たち用と立花さんへのお土産を買って宿に向かう途中のこと。

「なんで温泉なんですか?」

結婚式場、酒蔵、温泉っていうよくわからない初デートのチョイスに不思議に思って聞いてみると

「お前どこ連れてったらいいか香織に聞いたら、暇なときは一人でスパいってるっていってたから。温泉だったら喜ぶかなと思って」

ぶっきらぼうに答える藤木さん。

「うふふ、嬉しいです」

わざわざ香織さんにも聞いてくれたことが嬉しくって、そう言うと

「いや、でもお前の好きなものって、酒と俺くらいしか知らないからさ」

なんて言っている。真顔でうぬぼれ発言するの、やめてほしいなと思いつつ、ぷっと噴出してしまうと

「なにがおかしいんだよ。当たってるだろ?」

自信満々に言われてしまう。

「間違ってはないですけど、酒乱の男好きみたいな言い方しないでくださいよ」

「いや、男好きじゃなくって、俺好きだろ」

冷静に突っ込みながら、ニヤリと口元を上げている藤木さん。
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