人事部の女神さまの憂いは続く

なんだか、その表情が色っぽくってドキッとしていると

「なんか、いいな、こういうの」

言いながら左手が私の膝に伸びてきた。それからはずっと内腿をスリスリと撫でていて、信号待ちでおもむろにキスをしてくる。

いきなり攻めてくるそれに応えていると、いつの間にか信号が変わってしまった。トントンと藤木さんの肩を叩いて教えると

「もうちょっと、したかったのに」

残念そうに言いながらもう一度チュッとしてから唇が離れていく。

後ろに車がいないからいいけど、相変わらずのマイペースに苦笑いしかない。だけど、さっきのキスで完全にスイッチが入ってしまったのは私もだ。離れていった藤木さんが恋しくって、今度は私が藤木さんの太ももに手を伸ばすと、おいっ、とちょっとだけ不機嫌そうな声で注意されてしまう。

「あと30分くらいで着くから、我慢しろよ」

「我慢って・・・」

まるで私がひとりでさかってるみたいな言い方にムッとしていると

「うそ、うそ」

笑いながら頭にポンポンと手を置かれる。
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