人事部の女神さまの憂いは続く

「そこまで無神経だと、さすがに私も傷つくんですけど」

藤木さんの方を見ずに吐き出すと、さすがに反論できないらしい。

さっきまでイチャイチャして楽しかったのに藤木さんのせいで台無しだ。

心の底から残念に思っていると、恐る恐るという風に頭に手が伸びてきて優しく撫でている。その手からは申し訳なさが伝わってくるので、それを振り払う気にはなれずにされるがままになっていると

「悪い」

謝罪の言葉が落とされた。

とりあえずそれに頷いてみると、それで許されたのかと思ったのか今度はギュッと手を握られて運転席の方に引き寄せられた。せっかくのデートなのに、ここでケンカするのも嫌なので、そのまま身体を預けながら思考を巡らせる。


この人、こんなに無神経で、迂闊なのに、よく遊び人なんてやってられたなって思う。

こういう関係になる前も、藤木さんは一回くらい女の人に刺されるだろうなって思ってたけど、今となっては余計にそう思う。


仕事ではあんなに慎重で戦略家なのに、なんでこんなに残念なんだろう。


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