人事部の女神さまの憂いは続く
風呂につかって部屋に戻ると、当たり前だけどまだ侑里は戻っていない。
いつも長風呂だしな、とひとりで温泉を愉しんでいるであろう侑里を思い浮かべる。はしゃいでそうだなーなんて思いながらも、一緒に入ったら、あんなこととかこんなこととか楽しめたのにって残念に思う。
手持ち無沙汰なこともあって冷蔵庫からビールを取り出して、一人で飲んでみたけど落ち着かない。見たくもないテレビをつけてみたり、スマホで会社のメールをチェックしてみたりと散々気を散らしていると、ようやく扉が開いた。
初めて見る侑里の浴衣姿は色っぽくって、今すぐにでもその白い首筋に唇を這わせたくなってくる。
だけど調子に乗って好き勝手して、これ以上機嫌を損ねるわけにはいかない。恐る恐る侑里と目を合わせてみると、さっきまでとは一転ニコニコしているではないか。
温泉に入って機嫌を直してくれたんだと嬉しくなって
「おかえり」
微笑むと、侑里もニコニコ顔で
「ただいまです」
とかえしてくれる。