人事部の女神さまの憂いは続く

もうわかったから機嫌直せよ、という意味を込めて頭を撫でようとしたら、ひょいっとまた交わされてしまった。

さすがにこれにはイラッとしそうになったけど

「お部屋戻って、飲みなおしましょうよー」

かわいいことを言ってくる侑里のお陰でキレそうになる自分を抑えることができた。もしかして今日はこの後も、こんな感じなのか?と、ひとつ小さな溜息をついて部屋に戻った。


露天風呂もあるテラスで、ゆったりソファに座って昼間一緒に選んだ焼酎を飲む。川のせせらぎの音も、夜風も心地いい。いつもと違って、侑里がぺったりとくっついていないことだけが残念だけど。

露天風呂付客室なんて、どう考えてもカップルのための部屋のくせに、1人用のソファーがふたつってセンスなさすぎだろって思うけど、いつもならソファーが狭いのをいいことに侑里を膝にのっけてるんだろうな。

そんなことを考えながら、横でグラスに口を付けている侑里をみると、ぼーっと何かを考えている様子。

ちょっと緩んだ口元を見ると、まだよからぬことでも考えてるんじゃないかなって苦笑いが漏れる。
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