人事部の女神さまの憂いは続く


そんなちょっと前のことを思い出していると

「披露宴じゃないから、藤木さんとのゲスト比率気にしなくていいですよね。私、あんまり呼ぶ人いないかも」

俺の腕にもたれかかって甘えるようにしてくる。その仕草がかわいくて、こっちから見えている頬にチュっと唇を落とすと

「もー藤木さんも考えてくださいよー」

不満気な声を出されてしまう。だけど、俺の思考は別のところにとんでいて。

「なぁ、崇って呼んでみて」

そう口に出すと、訝し気な顔で振り返られてしまった。だけど、言ってくれないので

「崇って、呼んで」

もう一回お願いすると

「どうしたんですか、急に」

冷静に返されてしまう。その反応がさみしくって、ギュッと腕の力を強めて

「なぁ、呼んでよ」

耳元でお願いしながら、かぷっと目の前にある耳を口に含むと、あっというかわいい声が聞こえてくる。
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