人事部の女神さまの憂いは続く

うん、いい声。

でも、それ以上に今聞きたいのは別の声だと、おねだりするように、侑里の顔を覗き込むと

「た、かし?」

恐る恐る、といった感じで口に出してる。それが不満で

「もう1回。ちゃんと呼んで」

というと、身体ごと振り返ってきてニコッとしている。

「たかし」

その声を聞いたら、愛おしさが一気にこみあげてきて、なんて幸せなんだろうって思う。

「なぁ、もう侑里以外には呼ばせないからさ。崇って呼んでよ」

額と額をくっつけながら、そう言うと、くすっと笑われる。

「えー、たーくんって結構気に入ってるのに」

笑いながら、チュっと唇を合わせてくる。なんでこんなにかわいいんだって内心悶えながら

「へー、そんな意地悪言うんだ」

ニヤリと笑って見せると、びくっとひるんでる。
< 342 / 399 >

この作品をシェア

pagetop