人事部の女神さまの憂いは続く
意味が分からず、なぜかと聞き返すと
「うちの子たちは藤木さんと付き合ってるってのも完全にただの噂だろって思ってたらしくって。どちらかというと、まだ若いツバメ説が有力だったらしいんです。久保くんだけは納得してたものの、他の子たちは何たくらんでるんですか、的なことまで言われちゃって」
今日の会社での反応を話してくれた。
俺が人事に行くときはだいたい残業中だから、久保くらいしか残ってなくって、俺とニシユリが一緒にいるの見てるのは他にはあんまりいないんだろう。確かにそれじゃ、いきなりって感じするか、と納得していると
「しかも、指輪してないとかまで言われて、完全嘘つき扱いですよ」
しょんぼりと話している。
婚約指輪はニシユリがいらないっていうから代わりの物にしたし、結婚指輪はじっくり選びたいとかいってまだ決めていない。こんなことなら、無理矢理にでも早く決めさせればよかった、と思いながら膝の中に座っているニシユリをぎゅっと抱きしめると
「そんなに私と藤木さんとじゃ似合わないんですかね。想像できないって言われちゃいましたよ」
本気でへこんでいる。