好きになれとは言ってない




「あれ?
 帰るの? 二人とも」

 他の客の皿を下げていた真尋がこちらを振り返り言う。

 航も遥ももう帰り支度をして、スツールから降りていた。

「ああ、閉店までまだあるだろ。
 電車で帰るよ」

「なんだよ。
 もうちょっと待ってくれれば……」
と言いかけた真尋はこちらを見、

「そうか。
 そうだね。

 じゃあ、気をつけて」
と何故かあっさり引き下がり、笑って手を振った。




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