好きになれとは言ってない
「そうね。
隆弘さん待ってるから、じゃあ、お父さん送って」
にやりと笑って遥の姉は言い、
「それじゃ、失礼しまーすー」
と大きな七人乗り車に乗って去っていってしまった。
「遥」
と航は小声で遥を呼ぶ。
「俺は自力で帰るからとお父さんに言ってくれ」
と言ったのだが、遥は、
「え?
でも、もうお父さん、車出す準備してますよ」
と取り合ってくれない。
察しろ、莫迦っ。
お前、俺の母親と二人きりで車に乗りたいかっ、と思ったが、こいつ、意外と動じそうにないな、とも思う。
まあ、別に俺と付き合っているわけでもないから、関係ないといえば、ないのだが。
いや、そうだ。
俺も遥の父親と二人きりになったからと言って、関係ない……
関係ないはずだ……。
そう思いながらも、遥の腕をつかんでいた。
「お前、ついて来てくれるんだよなっ?」
ええっ? と遥が言い、会話が聞こえているわけでもないだろうに、遥の母親が玄関先で笑っていた。
隆弘さん待ってるから、じゃあ、お父さん送って」
にやりと笑って遥の姉は言い、
「それじゃ、失礼しまーすー」
と大きな七人乗り車に乗って去っていってしまった。
「遥」
と航は小声で遥を呼ぶ。
「俺は自力で帰るからとお父さんに言ってくれ」
と言ったのだが、遥は、
「え?
でも、もうお父さん、車出す準備してますよ」
と取り合ってくれない。
察しろ、莫迦っ。
お前、俺の母親と二人きりで車に乗りたいかっ、と思ったが、こいつ、意外と動じそうにないな、とも思う。
まあ、別に俺と付き合っているわけでもないから、関係ないといえば、ないのだが。
いや、そうだ。
俺も遥の父親と二人きりになったからと言って、関係ない……
関係ないはずだ……。
そう思いながらも、遥の腕をつかんでいた。
「お前、ついて来てくれるんだよなっ?」
ええっ? と遥が言い、会話が聞こえているわけでもないだろうに、遥の母親が玄関先で笑っていた。