好きになれとは言ってない
 声がでかいっ。

 そして、何処から湧いてきたっ、と思っていると、優樹菜は、
「すみません。
 黒の極太マジック六本ください」
と備品伝票を突き出してきた。

「……多いわよ」

 事業部、備品の持ち出しが多いな、と思いながら、
「っていうか、違うわよ」
と言う。

「本当にたまたま朝、一緒になっただけよ。
 話してたのも、コンパの打ち合わせしてただけ」
と言うと、優樹菜は、

「楽しみですねー、コンパ。
 結局、何処でやるんですか?

 ホテルとかで豪勢にやったりしないんですか?
 会社が費用出して」
と言い出した。

「いや……リストラしようかって言うのに、そんな余分な経費は出してくれないんじゃないの?」

 そう言うと、
「それなんだけどさ。
 うちの会社って、そんなに切羽詰まってる?

 リストラしなくても、新入社員を減らせばいいだけの話じゃないの?

 今、人数が多い世代の人たちがどんどん定年になってってるんだから」
と亜紀が言ってきた。
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