好きになれとは言ってない
 しかし、亜紀の話を聞いているうちに、だんだん遥も腹が立ってきた。

「純真だった亜紀さんをもてあそぶなんて、ひどい奴ですね、小宮さん。
 私が許しませんっ」
と手巻き寿司のしゃもじを握る。

「……うん。
 とりあえず、しゃもじは置いて。

 そして、『純真だった』ってあんたまで過去形にするのはやめて」

「いいえ。
 わかってますっ。

 亜紀さんはピュアな人ですっ」
と遥は亜紀の両手を握る。

「ちょっとー。
 誰か、新海課長呼んでー」

 酔ってる、酔ってる、とこちらを見て言う。

「この子持って帰ってもらってー」






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