好きになれとは言ってない
 そう真尋は言ってくる。

「まあ、体型的にもう守ってくれそうだけどね。
 迷彩服とか着て」

「迷彩服ですか。
 警察の制服とかも似合いそうですけど」
とぽそりと言うと、

「遥ちゃんって、制服フェチ?」
と言われてしまった。

 困ったことだ……。

 新海課長とよく居るようになってから、私は、筋肉フェチにされたり、制服フェチにされたりしている……と顔をしかめてしまう。

 乾いた皿を食洗機から棚に戻しながら、真尋が言う。

「でも、俺も細いけど守れるよ」

 そういえば、初対面のとき、真尋に細いと言ってしまったが。

 あれはあれで褒め言葉だったのだが、と思いながら、
「あっ、いえ。
 課長に比べてですよ、細いって言ったのは」
と言った。

 男の人は細いとかあまり言われたくないのかな、と思って。

 しかし、そう言いながら、ふと疑問に思って訊いてしまう。

「それにしても、課長は、なにを守るつもりであんなに鍛えてるんでしょうね?」
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