好きになれとは言ってない
「大盛りにしようか?」
と冷蔵庫を開けながら言う真尋に、

「いや、俺のじゃない。
 遥がまた欲しそうにするだろうから」
と航は言う。

「ええっ?
 私、ひとつは食べれませんよっ」

 さっき、ナボリタン食べたのにっ、と言うと、
「残ったのは俺が食べてやる。
 食べてみろ。

 絶品だ。
 というか、ソースの焦げた匂いがし始めたら、絶対、お前は欲しがる」
と予言される。

 そして、その予言は、おそらく当たっている、と遥は苦笑いした。

「いや~、もう帰ろうと思ってたんですけどね~」
と言うと、真尋が、

「兄貴と最後まで居なよ。
 早めに閉めて、送ってってあげるよ」
と言ってくれたのだが、作っている間に、ちらほらと客が来た。

 今日は閉店までまだ時間があるからな、と思いながら、そっちに行った真尋を見る。

「いい弟さんですね」
と言うと、

「どの辺がだ」
と言われた。

「えーと……美味しい料理が作れるところ」
と言って、鼻で笑われる。

 いや、大事なことだと思うのだが。





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