白い雪が降り積もるように


「……ただ、名前が似ていたから一緒にいただけですよ、あの子とは」





親友と呼べたその子は違う友を作り、私の元から去っていった。




それでも、私に謝るだけの言葉を言いに来てくれたその子にとって、私は友達だったのかもしれない。




私がその子を親友と思っていたように……。




すると、頭をポンポンと撫でられる。




「触らないでください、ウザったい」




「それだけ悪態がつければ、平気そうだね」





頭を撫でていた手をヒラヒラさせながら、蓬條依良は再び歩き出した。





目元を袖で拭うと、彼の背中を追いかける。




バイバイ、私の親友だった君……。












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