白い雪が降り積もるように

3.残酷な真実≪前編≫



ショッピングセンターから帰宅すると私は真っ先に自室に戻った。



仕事に戻らなくてはいけないのに、今の私の服装は女の子の服。




スーツは紙袋に入っていたけど着替える場所がなく、自室に戻るしかなかった。




服を手早く着替え、ウィッグを被り直す。




そして、急いで仕事に戻った。





時間に換算して、五分はかかるであろうことを三分で終えることができた。




我ながら頑張った!




軽くかいた汗を拭いながら本館の廊下を歩いているとある部屋の中から話し声がした。





微妙にドアが開いていて中を覗いてみれば、そこには蓬條紗良と蓬條依良がいた。





あ、此処は蓬條紗良の書斎のある辺りか。




本館の二階の角部屋はこの屋敷の主の書斎だったことを思い出し、納得する。





< 152 / 422 >

この作品をシェア

pagetop