白い雪が降り積もるように
もう自分が抑えられなかった。
「私の気持ちも知らないで……っ。こんな想いをするくらいなら貴方を好きにならなければ良かった……っ」
その言葉に、目の前の蓬條依良の目が揺らいだ。
言わないつもりだった彼への想い。
でも、もう伝えられずにはいられない。
「私は貴方のことが──」
全て言い終える前に頭を引き寄せられて、今度は彼の唇がそれを阻むように重なってきた。
唇から彼の唇が離れると、その腕の中に再び抱き寄せられる。
「言わなくて良い……。これ以上言われたら止まらなくなる……」
引き寄せられた胸から彼の心音が聞こえる。
リズムよく動いているはずの心臓は早く鼓動を打っていた。
顔を上げて彼の顔を覗き込めば、彼は顔を真っ赤になっていた。