ほしの、おうじさま
渡辺さんにその解説をしていただいた時は「なるほど~」と心底感心してしまった。

ちなみに飲み物を入れるマイカップは、入社前に渡されていた書類に「各部署に配属された後必要になるので用意しておくように」と書かれていたので、初日にきちんと持参して来た。

研修中水筒で過ごしていたのは、その期間だけは自分でお茶を淹れる事ができなかったからだ。

会議室フロアである7階にも給湯室はあるけれど、他の階ほど備品や設備は充実しておらず、お茶類もそこにはストックされていない。

何故ならその名称通り、フロアには会議室と物品庫と資料保管庫、喫煙室しかなく、終日社員がそこに留まっているという訳ではないから。

会議が目白押しで活気に溢れている日もあれば、一転、その予定がなく閑散としている日もあり、つまり7階の給湯室が使用される頻度にはムラがあるという事だ。

また、お茶類は、庶務課の担当者が毎週金曜日に各階の給湯室を回って在庫状況を確認し、必要と思われる量を補充する、というシステムなのだけれど、その算出方法はそれぞれの階で働く社員の人数が基準になっており、会議室フロアの場合は固定ではないので、何をどれくらい準備しておくべきか見極めが難しい。

例えばインスタントコーヒーの粉を一瓶置いておいたけれど、あまり飲まれずに、いつの間にか賞味期限が切れてしまった、などという事態になる事も充分にあり得るわけだ。
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