ほしの、おうじさま
なので、そういった環境に飲み物をストックしておくのは適切ではないと判断され、会議室フロアの給湯室には湯沸し機付きの流し台、数十人分のカップと湯呑み、スプーン等が入った食器棚、そして作業をする為のカウンターしか置いていない。

会議で飲み物を出す際は、それを行う部署の社員が自分のフロアの給湯室から電気ポットや急須やコーヒーメーカー、お茶類等、必要なアイテムをワゴンに積んで7階まで運んで来て、そこで淹れる決まりになっている。

そして会議が終わったら忘れずに撤収すると。

面倒に思えるかもしれないけれど、その方法が結局は一番無駄がなく妥当なのだ。

そういった事情から、研修中だけは飲み物は各自で用意するように通達されていた。

他の階の給湯室に遠征するとなると色々とややこしい事態になりそうだし、「一週間のことなのでどうか辛抱して下さい」という訳だ。

そういう物であると割りきっていたからその時は別に何とも思わなかったけど、いざマイカップでお茶を飲める生活に慣れてしまうと、毎日家に帰ってから水筒を分解して綺麗に洗ってしっかりと乾かして…というのは地味に煩わしい作業であったことに気が付く。

もちろんカップだって毎日洗わなければいけない事に変わりはないけれど、そちらに関しては交替制になっているから。
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