ほしの、おうじさま
守るも何も、別に星野君は私に対してそんな事一ミクロンも望んでなんかいないだろうに。
阿久津君自身も内心では文句を垂れつつも表立ってバカな事をするつもりはないみたいだし。

だけどあの時は自分が信じられない不思議な体験をして、興奮しまくりでテンションが変な風になっちゃってたんだよね。

でも、とにかく星野君の悪口が聞こえてしまう以上スルーはできない。
一言苦言を呈さずにはいられない。


「あ。いけない。今何分だろ?」

そこで私はハッとしながら腕時計を確認した。

感覚的に、結構な時間が経過してしまったのではなかろうかと思ったのだ。
案の定休憩時間は残り数分にまで迫っていた。
15分なんて、ホントあっという間に過ぎて行く。

「やだ。私ももう戻らなくちゃ。阿久津君なんかと無駄話してる場合じゃなかった」

「なっ」

私の呟きに彼はムッとしたような声を発したけれど、当然相手にする事なくカップを手に取り出入口に向かってさっさか歩を進めた。
すると背後の阿久津君もすぐに後に続いたようで、瞬く間に私に追い付き左側に横並びになった。

「えっ。な、なに?」

「なにって、俺も部屋に帰るんだよ」

思わずギョッとしながら視線を向けて問いかけたけれど、阿久津君は淡々とした口調で無表情にそう返答する。
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