ほしの、おうじさま
「ごめんね」

「え?いやいや。私が急に呼びかけたのがいけないんだし、そこは気にしないで。次回、また誰かが同期会を開催した時はぜひぜひ参加してね」

「うん」

「富樫さん」

思っていたよりはすんなりと引いてくれて、内心ホッとしていた私は、廊下の先から聞こえて来たその声に再び鼓動がはね上がった。

「あ、野崎さん加藤さん。おつかれー」

声のした方向に顔を向け、右手を上げてそう答えた後、私に視線を戻して富樫さんは解説する。

「この後あの二人と、女子会の打ち合わせを兼ねて晩ごはんを食べに行く予定なんだ。前から目を着けてたお店に私が予約を入れて」

「何してるの?」

そうこうするうちに野崎さんと加藤さんが私達の至近距離まで到達し、立ち止まった。

「まさかその子も誘ってるんじゃないでしょうね?やめてよね。私達だけの秘密の話があるんだから」

「へ?」

富樫さんは目を丸くしながら返答した。

「いや…。今日に関しては誘ってないよ?例の、女子会について意志確認をしてただけ。それで星さん、残念だけどその日は行けないんだって」
「あらそう」

野崎さんはちょっと食い気味に答えた。

「なら良かったわー」

この上なく上機嫌な表情と声音である。

「富樫さん、全員にメールしちゃうんだもん。星さんが来ちゃったらどうしようかと思ってたのよ。せっかくの同期会なのに、こんな人と食卓を囲むなんてまっぴらゴメンだもの」
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