ほしの、おうじさま
「何があったのかは知らないけど、今の時点では、客観的に見て、断然、あなた達の方が感じが悪いよ」

表情もとても厳しいものに変わっている。

「そんな人と食卓を囲むなんて、それこそ『まっぴらゴメン』だわ」

「なっ」

「ちょっと、富樫さん?」

「っていうか、私らもう良い大人なんだからさぁ。そういう、女子中高生の陰険なイジメみたいなしょーもないかけひき、やめなよね」

そして今度は心底呆れたような口調で諭す。

「っていうか、野崎さんて自他共に認めるサバサバ系じゃなかったの?今、完全にキャラが崩壊しちゃってるんだけど」

「うるさい!」

予感はあったけれど、案の定野崎さんは盛大にキレた。

「こんな奴の肩を持つなんて、見損なったわ!そっちがそういう態度なら良いわよ。金輪際、あんたなんかとは付き合わないから!」

そうまくし立てた後、野崎さんは更に続けた。

「今日のディナーも女子会も行かないから。予約の取り消しは自分でどうにかしなさいよね」

そしてその場から足早に歩き出す。
成り行きを見守っていた加藤さんも慌てて野崎さんの後を追い、廊下の奥へと進んで行った。

「だ、大丈夫なの?富樫さん」

「え?何が?」

睨み付けるように二人の背中を見送っていた富樫さんは、私の問いかけに不思議そうな表情で質問返しをして来た。
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