ほしの、おうじさま
「だ、だって、あんなに仲の良かった二人と、険悪な雰囲気になっちゃって…」
「別に。来る者は拒まず、去る者は追わずだから。私」

富樫さんは肩を竦めながら返答した。

「反対に言えば、あんなにあっけなく崩壊するなんて、私達の友情は本物じゃなかったって事だから」

「でも…」

「つーか、あんな面を見ちゃったらもう二人とは今までみたいに付き合えないよ」


どう考えても仲違いの原因を作ったのは私なので、大いに動揺しながら言葉を繋ごうとしたけれど、それを押さえ込むようにして富樫さんは心情を語り始めた。


「最初は『サバサバさん』と『面倒見の良いお姉さん』タイプの二人だと思っていて、そういう点がすごく尊敬できたから仲良くさせてもらってたけど、そのメッキが一気にベロンと剥がれちゃった訳だし。まぁ、星さんは以前から野崎さんの正体には気付いていただろうけどね」

「……え?」

「実は私ももう研修の途中から『あれ?』と思う事がちょいちょいあったんだよね…。ホラ、野崎さんて結構星さんに対して当たりが強かったから」


その鋭い指摘に思わずドキリとする。


「私、通路挟んで隣の席だったから、結構色々聞こえて来ちゃってたんだよ。当然、前後の席の子も耳にしてたとは思うけど、ひとまずスルーしてたんだと思う。特に男子は『女子の人間関係にうかつに口を挟まない方が良いよな…』っていう考えだったんだろうし」
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