ほしの、おうじさま
「一応その話を先輩から聞いた時は「すごく良い子だからびっくりです。表には出てないけど内心とんでもなく緊張していたのかもしれません」ってフォローしといたんだけど、もう今日の件でその気持ちは虹の彼方に消え失せたわ。今後二度と援護射撃なんかしてやらない」

富樫さんは鼻息荒くそう主張した。

「野崎さんは過去の会話の中で「私は男友達の方が断然多い」「女は色々面倒くさいから付き合いづらい」っていう話をちょいちょい挟んで来てて、『いかにもサバサバさんらしいセリフだな』って思ってたんだけど、今となってみれば、そういう風に男女で温度差のある対応をしているから女性の友達が少ないんじゃないの?と思う」

富樫さんはズバリ正論を述べた。

「いかにも今までの人生、自分が友情の取捨選択をして来たかのような言い草だけど、ただ単に相手から敬遠されてただけだと思う。学生時代は『男友達が多く、ズケズケ物を言い、気に入らなければ堂々とそれを態度に表す』というキャラクターは『勝ち気だけど裏表のないさっぱりした性格』っていう風に誤認させられたかもしれないけど、社会に出て荒波にもまれ、審美眼を養った諸先輩方をだまくらかすのは難しいと思うよ。ああいう言動を改めない限り、これから彼女は厳しい立場に追いやられて行くと思う」

「…うん。そうだね」

「ま、野崎さんがどうなろうともう知ったこっちゃないけどね」
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