ほしの、おうじさま
その文面の後に『ちなみに野崎さん加藤さんからはあれから何もアプローチはない。だからこのまま知らんぷりしておこうと思う。もし同期の子に何か突っ込まれたら『喧嘩しちゃって、それから無視されてる』っていう風に言おうかなと。その際、話の流れで星さんの件にも触れてしまうかもしれないけど良いかな?』と続いていた。

経緯の説明をする上で私の名前も出さざるを得ないだろうし、そこは了承し、更に『何だか色々と煩わしい思いをさせちゃってゴメンね。せめて女子会で少しでもリフレッシュして来て』と付け加えて返信。

それに対しての『ありがとう。またね』というレスポンスに『うん。また』と返し、やり取りはそこで終了した。

あのバトル以降、富樫さんと野崎さん達の間に新たなトラブルは起きておらず、同期との友情が壊れてしまった事に対する精神的ダメージはあまり負っていないようなので、ひとまず胸を撫で下ろした。
やはりその点が大いに気がかりだったのだ。

「渡辺係長、星さん、すみません」

それから更に数日後のこと。

早番のオペレーター室担当で、いつものごとく遅番の人が昼休憩中のお留守番役をしていると、男性の先輩社員である高根沢さんがそう声を発しながら入室して来て、業務の打ち合わせをしていた私達の下へと近付いて来た。

「さっき実家の母親から、入院していた祖父が危篤状態に陥っているという連絡がありまして…」

「え。大変じゃないか」
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