ほしの、おうじさま
「そのきっかけはなんだったんだ?」

「んと…。自分ではそんなつもりは全然なかったんだけど、野崎さんの意見に対してかなり偉そうに上から目線で説教しているように聞こえちゃったみたいで…」

ひとまず当番としてやるべき事はやり終え、カウンター前に佇んでいた阿久津君の下へと近付きながら話を進めた。

「まぁ、最終的には私もムッとして喧嘩腰で言い返しちゃったから、野崎さんだけが悪い訳じゃないんだけど」

「へぇー。お前も一応は反撃したんだ」

「……私って昔からそうなんだ。人と衝突するのが嫌で、何とか穏便に済ませようと言葉を選んで発言するんだけど、『八方美人』とか『良い子ぶりっこ』とか、あげくの果てに『偽善者』とか言われて距離を置かれちゃって…。かと思うと、しっかり自分の意見をぶつけたりしたら今度は『おとなしそうに見えて生意気』って言われちゃって、結局周りから浮いちゃってたりするの」

「ああ…。お前って普段はぼーっとしてるくせに、いざスイッチが入ると『曲がった事は大嫌い。清廉潔白、正義の味方キャラ』になって、ズケズケ物申して来るからな」

阿久津君は自分で自分の言葉にウンウンと頷きながら持論を展開した。

「すっかり舐めてかかってた奴はその変貌ぶりに意表を突かれて焦って、ついには逆ギレすんだろうな」

「え?そ、そんな…」
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