ほしの、おうじさま
「そうなんだよ。俺への今までの発言の数々を思い返してみろよ。しっかりきっぱり説教をかまして、終いには『悪の大王』呼ばわりしやがって。つーか、俺に対しては早い段階からすでに喧嘩腰で、穏便の「お」の字もなかったけどな」

「あ、あの時は何だか興奮してしまって…」

「それ以外の場面でも臆することなく意見して来るだろうが」

「う、う~ん。阿久津君にはたとえ嫌われたとしても、何らダメージは受けないからかなぁ…」

「は?」

「気に入らない相手に対して心の中でブチブチグチグチ文句ばっか垂れてる、陰険で陰湿で小者感満載の超最悪な男だって分かっちゃってるから、そんな人に嫌われても一ミクロンも気にならないというかむしろその方が清々するというか」

「喧嘩売ってんのかお前」

「でも…。やっぱり、同性の同期にこれでもかとばかりに目の敵にされるっていうのは、なかなかしんどいんだよね…」

私はそう弱音を吐き、次いで深くため息をついた。

「アホくさ」

しかし阿久津君は言葉通り、心底呆れたような口調でそう切り捨てる。

「あんな自分大好きの、超自己中女に嫌われたからって何を思い悩む事があるんだよ。それこそ『あっちから離れて行ってくれて清々する』んじゃねーのか?」

「いや、だって…」

「それに、お前みたいな奴はこの世の中には必要不可欠なんだよ」
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