ほしの、おうじさま
心の中でひっそりこっそり恋心を育てていただけで、努力らしい努力は何らして来なかったというのに。

「嘘だろ?」

「嘘じゃないよ」

告白されたてのホヤホヤだもんね。

「……マジかよ」

阿久津君は呆然としながら呟いた。

「今までアイツに言い寄った女は数知れず。中にはミスなんとかっていう称号持ちもいたのに、それでもなびいたりはしなかった」

「……阿久津君て何気に星野君情報に精通してるよね」

「聞きたくなくても周りの奴らが騒いでるから否応なしに耳に入って来ちまうんだよっ」

いかにも不本意そうに吐き捨ててから星野君は話を進めた。

「それなのに、よりにもよってお前を選んだのかよ。過去にトライした女達はその事実を知ったら阿鼻叫喚だろうな」

「し、失礼なっ」

ムッとしながらも、自分自身摩訶不思議だったので、ここに至るまであれこれ考え、導き出していた推論を口にする。

「告白前に世間話をしていて気付いたんだけど、星野君はどうやら純和風なものに心惹かれるみたいなんだよね。それで私の事も気に入ってくれたんじゃないのかな?」

「ああ……『コッテコテの日本人』という点では、お前の右に出る者はそうそういなさそうだしな」

阿久津君はその説明であっさり納得したようだ。

「世の中には変わった趣味趣向の持ち主もいるから…。他人がどうこう言うことじゃねーよな」

だけど相変わらず色々と失礼だけれども。
< 219 / 241 >

この作品をシェア

pagetop