ほしの、おうじさま
だって、私達が挑んだ相手は天下の「0to0ホールディングス」。
CMで毎日その社名が連呼されている、日本のコンビニエンスストアの第一号店を出した国内屈指の大企業。

そもそもは、大型スーパーやファミリーレストラン等を全国展開していた企業が冒険的試みで0to0を出店し、つまりそこは子会社的存在だったのだけれど、今や完全に立場が逆転していた。

現在では考えられないことだけれど、コンビニが出来た当初は、世間の大半の人は「要するに、1日中開いているだけのただの小売店だろ?」という冷めた見方をしていたらしい。
「しかもあんな狭い敷地面積で扱える商品にも限りがあるし。何しろ単価が無駄に高い。その労力に見合う採算が取れるとは到底思えないし、どうせすぐに廃れて無くなるさ」という意見もあったようだ。
しかしそんな評論はどこ吹く風で、0to0は新し物好きの消費者の心をしっかりがっしりとわし掴みにし、コアなリピーターとして変貌させる事に成功した。
バブル崩壊時も全く影響はなく、むしろ業績はずっとうなぎ登り、海外進出まで果たし、そしてその成長過程でいつしか親会社の売上高を大幅に上回ってしまい、グループ内の稼ぎ頭である事を如実に示すべく「0to0」の存在を全面に押し出した社名に変更し、現在に至る。
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