ほしの、おうじさま
私が他力本願な対処法を練っている間に向井さんは話のまとめに入った。
それに対し、私は急いで返答する。


「こちらこそよろしくお願いします」

「じゃあ、そろそろ時間だし、部屋に戻ろうか?」

「うん」

チラリと腕時計に視線を走らせてから放った向井さんの言葉に同意し、私達はその場から歩き出した。

会議室に入り、お互いに笑顔で小さく手を振り分かれ、自分の席へと向かった。

「なに?さっそくあの子と仲良くなったの?」

「あ、うん」

椅子に腰かけるやいなや、連れ立って部屋に入って来た私と向井さんを眺めていたらしい野崎さんにそう問いかけられた。
内心ドキリとしつつも平常心を装って解説する。

「奇遇にも、一次面接の時に同じグループだったの。「お互いに受かって良かったね」って話をしてて…」

「えー?一次の時一緒だった人なんて、そんなのよく覚えてるね?私とっくに忘れちゃったよ」

「う、うん。普通はそうだと思うんだけど、何かお互いに印象に残ってたんだよね」

星野君のあのエピソードを語ればすぐに納得するだろうとは思ったけど、そこはあえて伏せる事にした。
何故ならこれ以上話が膨らんでしまうと超絶に面倒だったから。

「ふーん。でもまぁ良かったね」
< 43 / 241 >

この作品をシェア

pagetop