ほしの、おうじさま
端といってもテーブル二つ分の幅があるので広さは充分だし、そしてそこに陣取る事になった富樫さんという子は「まるでお誕生日会の主役席みたーい」とご満悦だった。

こうして和気藹々とした昼食会がスタートしたのであった。

私は内心とてもホッとしていた。

あのままだと、野崎さんと二人肩を並べて食事する羽目になっていたからだ。

この上なく会話の弾まない、魔の時間帯になっていたことだろう。

穿った見方をすれば、もしかしたら野崎さんの方も見るからにタイプの違う私と二人きりでは気詰まりだから、それを避ける為に皆を呼び寄せたのかもしれない。

とにかく私としては精神的負荷が取り除かれて大いに助かったのであった。

私の左隣に向井さんが座ってくれたというのも更に安堵感が増した要因だった。

彼女も自分からガンガン話を発信するタイプではないけれど、かといって一人仏頂面だったりシラケた様子を見せている訳でもなくて、皆の話に熱心に耳を傾け、要所要所でウンウンと頷いたり笑いを挟んだりしていた。

そういう点でもすごく大人で尊敬できる人だな~と思いつつ、私もそれを見倣い、適度に会話に反応するよう心がけた。


「私はとても昼休みに外食する気にはなれないな~」
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