ほしの、おうじさま
男性陣はもうすっかり社食か外の飲食店に食べに行くのが定番になっていて室内には一人もいないので、そういった品評会があからさまにできるのだろう。
私自身は通った事はないけれど、こういうのが「女子校のノリ」というものなのかな、とふと思った。
同性ばかりの環境で、良くも悪くも言動が明け透けになって行くというか。

「星野君はもう別格で、文句なくビジュアル良し、頭も良し、性格も穏やかで『正統派イケメン』だけど、でも私、阿久津君も結構良いセン行ってると思うんだよねー」

「あ、私も思った!」

野崎さんの主張に加藤さんがすぐさま同意し、他にもウンウンと頷いている子がいたので私は心底驚いた。
まさか阿久津君が一部の女子にこんな風に好印象を持たれていたとは思ってなかったから。
だって彼は初対面の時からずっと変わらず、誰に対しても分け隔てなく終始そっけない態度を貫いていて、常に孤高を保っていたのだ。
さすがに挨拶と、研修中の周囲との必要なやり取りだけはきちんと交わしているけれど、それだってバリバリ義務感漂う、ビジネスライクな対応だし。
休憩中、女子はおろか男子とも和やかに雑談している様子は全く見受けられない。
お昼も一人でさっさと出て行って、一人でフラリと戻って来る。
片や星野君の周りには、常に誰かがいて楽しそうにおしゃべりしているけどね。
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