ほしの、おうじさま
辺りをキョロキョロと見渡し、目に見える範囲内には誰もいない事を確認してから私は息を整え、声のトーンを落として話を再開した。

「……今、星野君に対して悪口言ってたじゃない。邪魔だの目障りだの。しっかりはっきり聞いたんだからね。今度こそ、しらばっくれても無駄なんだから」

「……は?」

「っていうか、阿久津君の配属された宣伝課だって充分過ぎるほどの花形部署じゃないの。会社の存在、魅力を広く世にアピールするのが任務なんだから」

入社前に郵送されて来た書類にも概要は記されていたけれど、研修で改めて『統括部』がどのような仕事を担っているのか、それぞれの部署がどのように関わり合っているのかの説明を受けた。
そしてその過程で、宣伝部と企画部は何かと接点の多い部署である事を知ったのだ。
大雑把な流れとしては、マーケティング課が日々まとめている「お客様からのご意見」を参考に企画部企画課と開発課が新商品やサービスを企画開発し、宣伝部宣伝課と広報課がそれを大々的に世に発信、そしてマーケティング課が売れ行き状況や消費者の反応をまとめ、その結果報告書を元に企画部と宣伝部がミーティングを行い次回の活動に活かす、という風になっている。
もちろんそれ以外にもそれぞれが多岐に渡る業務を日々こなしていかなくてはならないのでずっと密接に関わり合っている訳ではないけど。
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