ほしの、おうじさま
私の剣幕に若干彼が怯んだのを察知してそうたたみかける。

どさくさに紛れて自分の恋心ダダもれな発言をしてしまったけれど、興奮状態マックスな私にはそこは大した問題ではないように思えた。

とにかく彼に物申してやらないと気が済まなかったのだ。


「星野君とは挨拶程度のやり取りしか交わした事はないけど、その時の対応や普段の立ち居振舞いを見る限り、そこまで他人から嫌われるような要素は微塵も感じられないんだけど?」

「言葉通りだよ。邪魔っつったら邪魔なんだ」


開き直ったのか、阿久津君は威風堂々とキッパリと言い切った。


「高校2年の時にアイツが同じ学校に編入して来てから、肝心な場面で散々苦汁を呑まされる羽目になって…」

「……ん?編入?」


これから話の核心に向かって行くのが予想される流れだったけれど、その言葉に大いに引っ掛かり、まだ導入部分だというのに思わず横槍を入れてしまった。


「入学当初から一緒だった訳じゃないの?」

「……アイツは10年近く海外暮らしだったらしいから。そんで高2の時に日本に帰って来て、夏休み明けからうちの学校に通い出した」


しかし意外にも阿久津君は素直に律儀に答えてくれた。


「イギリス帰りでしかもビジュアルも超絶にイケてるっつって、アイツのクラスの女どもが大騒ぎして、瞬く間に全校生徒にその存在が知れ渡った」
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