ほしの、おうじさま
「えっと、二人の通っていた高校って…」

「都立大和高校だけど?」

「ああ、何だ」

その回答に私は肩をすくめながら言葉を続けた。

「あそこって、毎年東ノ京大の合格者を何人も輩出している超名門進学校じゃない」

私とは何ら関わりはないけれど、それでもテレビや教師や世間の人々からの情報で件の高校の優秀さは充分に把握している。

「そんな学校で1、2を争ってたくらいならそりゃあ当然のごとく一緒に東ノ京に合格するだろうし、そしてあそこの学生が民間企業に就職しようとするならば、有名処で最大手を狙うのは至極当然のことだもん。0to0はここ数年業績も学生からの人気も断トツトップに君臨しているんだから。阿久津君と星野君がそこを受け、これまた一緒に採用されたからといって、何ら不思議なことではないでしょ」

「理路整然と論破してんじゃねーよ」

阿久津君は思いっきり眉間に皺を寄せて言葉を発した。

「見かけはぼんやりしてるくせに、意外と鋭くて強気で弁が立つんだな、お前って」

「んなっ…」
「とにかく、常に俺の目の前にいて、オイシイとこかっさらって行くアイツは邪魔で目障り以外の何者でもねーんだよ」

私の抗議の声を振り切ってそう話を締め括った後、阿久津君はふと何かに気付いたような表情で問いかけて来た。
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