鈍感ちゃん(君)を攻略せよ!
『風花ちゃん、どこのカフェでバイトしてるの?』
『えっと…多分bonheurだったと思う‼︎』
私の入った店の名前を繰り返して、意味が考えられなかったのか首を傾げた葵くんに、ふふっと笑みを漏らす。
案の定、なんで笑ってんのってまた怒られちゃったけど。
考えてる葵くんが可愛かったのがダメだよね?
うん、私悪くない。
『フランス語で、bonが良い。heurが時間。
良い時間で幸せって意味なんだって。
湊さんが言ってたような気がする』
『…湊さん?』
私の説明を聞きながら数回軽く頷いた葵くんが、聞きなれない名前を言ったせいか、葵くんの頭の中にクエスチョンマークを躍らせているように見える。
『湊さんは、私のバイト先のオーナーで、近所のお兄ちゃんみたいな人。
優しくてかっこいいし、料理も上手だよ!』
どれだけ練習しても、私なんて湊さんにはまだまだ及ばないしなー…。
湊さんの事を考えながら口元を緩めると、眉間にしわを寄せながらジッと、机に頬杖ながら私を見てきた葵くんを見て、今度は私が首をかしげる。
『風花ちゃんって、魔性の女?』
『葵くん、それ今どこから来たの⁇』