鈍感ちゃん(君)を攻略せよ!
『入ろう? 葵くん』
『おう』
ゆっくりとドアノブを回して店の中に入ると、カランカラン…と、鈴の音が静かな店内に響き渡った。
『…風花じゃねえか』
聞き覚えのある声に呼ばれて当たりを見渡すと、カウンターの方でコップを磨いていた男の人が、私を見て笑みを浮かべていた。
あれ…もしかしなくても、圭さんだよね?
『圭さん、どうしてここに?』
『ここ、俺の兄貴の店なんだよ。
今日兄貴は熱で寝込んでるから、代わりに俺が店番。
今日はシフト入ってねーしな』
圭さんもシフト入っていってことは、空君と斎藤君と湊さんが店番してるってことだよね?
…なんとなく、不思議な組み合わせ。
『で、隣の男だれ??』
カウンターから出てきた圭さんが、私の頭をグシャグシャに撫でながら葵くんに視線を向ける。
『葵くん。友達!』
『へぇ…⁇』