GREATEST JADE~翡翠の瞳に守られて~
「なんのためにカードを渡していると思ってるんだ。なくなりそうになったら、自分で買っておきなさい」

今ですら最低の親だと思うけれど、当時の私は自分が悪いと思い込んでいた。

ダメだ、昔を思い出すと胸が苦しい。

「あの、藍ちゃん、どうぞ食べてみて」

「あ……うん」

恐る恐る手を伸ばすと、私も瀬里と同じようにそっとスープに口をつけた。

……なにこれ。

コクンと飲み込んだスープが道を作り、身体の中が温かく満ちていく気がした。

優しくて、美味しくて。

細かく切ってじっくり煮込まれた野菜がスープの中に沢山入っている。

「美味しい……」
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