GREATEST JADE~翡翠の瞳に守られて~
「気のせいか」

片側四車線の道路には絶え間なく車が行き交っていて、よく考えたら私の声なんか誰にも聞こえているわけがなかった。

なのに、

「気のせいじゃないってば。あっ、うわっ……ってぇっ!!」

目の前に、ドシンと人が転がってきた。

「ってぇ……絶対アザになるやつだ、コレ」

……なに?

眼を見張る私の前で、その彼は屈託なく笑った。

「驚かせてごめん。けど、こいつが」

え?

よくよく見ると、歩道に尻餅をついた彼の両手の中に、小さな小さな仔猫がいた。

「こいつがあの窓の上から降りられなくなってて。見てられなくて助けたら、俺が落っこちた」
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