GREATEST JADE~翡翠の瞳に守られて~
恥ずかしそうに照れ笑いを浮かべた彼は、そう言いながら私に視線を上げた。

「……」

私の歩いていた歩道のすぐ横……つまり彼が転がってきた脇にはビルがあり、その一階は洋食屋さんだった。

このお洒落なテナントビルから落ちたの?

私がそう思いながらビルを見つめると、猫を抱いたまま彼がゆっくりと立ち上がった。

「ほら、そこの洋食屋のヒサシの上にいたんだ。けどプランターの花、踏みたくなかったから、避けたら着地に失敗して」

あの……一階のテナントの上の、屋根みたいなところかな。

その下には確かに入り口を避けるようにしてプランターが置いてあり、黄色い小さな花が綺麗に咲いていた。

「お前は怪我してないか?んー?」

ミーミー鳴いている仔猫を手の中でクルクル回して見た後、彼は私を見下ろして笑った。
< 25 / 293 >

この作品をシェア

pagetop