ワケありオンナとワケあり男子の共同生活


わたしたちを乗せた車が走り出した。そこでもやっぱりあきくんがいないか確認してしまう自分がいる。


車はヒデキさんの家の近くのコンビニで止まった。お酒とおつまみを買うために。

「よし、降りようか」

「はい」

ドアを開けて車の外へ出る。勢いよくドアを閉めて、蛍光灯が眩しい建物の中へ入った。

いつもと同じようにお酒コーナーで缶ビールを取り出す。近くのおつまみコーナーでいくつかおつまみを買う。

レジに行く途中にデザートが置いてあるコーナーが目に入った。ケーキがいくつか並んでいる。

「ヒデキさん」

「ん?」

「わたし今日ね、誕生日なの」

プレゼントが欲しいとか、そんな深い意味はない。

今まで男の人と誕生日を過ごしたことがない。だから1度言ってみたかった。

「え?誕生日なの?早く言ってくれたらケーキか何か用意したのに」

いやいや、そんなのを求めて言ったわけじゃない。

「ここのケーキで良かったら買うよ。好きなの選んで」


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