ワケありオンナとワケあり男子の共同生活
わたしはタクヤさんにのめり込んだ。
彼はシフトを組むときに休みをわたしに合わせてくれるようになった。だから職場でも会うし、週に1日は2人で会っていた。時には車でいける距離で旅行に行ったりもした。
──あゆ、愛してるよ。
彼と会ったとき、必ず言われるお決まりの言葉だった。
──嫁とは上手くいってないんだ。
──今すぐにはできないけど、嫁とは必ず離婚するから。その後、あゆを迎えにいくから。
ホテルのベッドの中で彼の腕に包まれながら何度も聞いた言葉。
タクヤさんに夢中だったからその言葉を信じた。奥さんを置いて、これだけ会ってくれてるからわたしの方を愛してくれているんだと。
こんなに人を愛したのは初めてだった。求めても求めても手に入らないもどかしさが余計にわたしを熱くした。身体を重ねても、愛してると言われても、法律で縛られるもどかしさ。
出会う順番が違うだけでこんな寂しい思いをするなんて。神様はなんていじわるなんだと思った。
奥さんと別れるという言葉を信じて1年関係が続いたころに運命を左右する出来事が起きた。