ワケありオンナとワケあり男子の共同生活


「よくがんばったね。本当にダメだったらおれが助けようって思ってたけど、自分でしっかり気持ち伝えることが出来てたね」

片手で頭を抱えられるようにして抱きしめられた。あきくんの胸に顔が当たる。溢れてきた涙はあきくんの服を濡らした。

「わたし、ちゃんと言えたよ。さよならって」

「うん」

「あきくん」

「ん?」

「ありがと」

頭を抱えている手でポンポンと頭を撫でてくれた。泣きじゃくる子供を慰めるように。

「あゆさん、約束の牛丼を食べに行こうか」

わたしから身体を離したあきくんは口角をクイッと上げて笑った。癒しのあきくんスマイル。彼の笑顔は本当に不思議な力を持っている。

わたしまでつられて笑っちゃうんだもん。

頬の涙を両手で拭き取って、彼に負けない笑顔を向けた。







「あきくんってチーズ牛丼しか食べないよね」

「あゆさんだって、いつも同じ普通の牛丼食べてるじゃん」

あきくんの元バイト先で牛丼を食べ終わったわたしたちは自分たちの家に向かって歩いて帰っているところだ。

階段を上りながらお互いに食べている牛丼が同じだったのなんだの話している。


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