ワケありオンナとワケあり男子の共同生活
アパートに着き、階段に上る。あきくんと一緒にこの階段を何度上っただろう。
階段を上り終え、カバンから鍵を取り出した。2人とも鍵を持っているけど、一緒にいる時はわたしが鍵を取り出すことが多い。
鍵穴に鍵を差し込み、くるりと回した。カチャッという音が聞こえたと同時にドアノブを下にして開ける。
「帰ってきたね」
あきくんがそう言い、玄関の電気を付ける。お互いに靴を脱ぎ、部屋に入る。
「なんか、今日は長かった。でも、充実してた」
わたしは部屋の電気を着けてそう言った。カバンを部屋の隅に置き、カーペットの上に座りこもうとした時だった。
後ろから温もりを感じた。顔を少し下ろすと腕がわたしをギュッと抱きしめていた。
「あきくん?」
いきなりのことで驚いた。今までこんな急に抱きしめられることなんてなかったから。
「あゆさん」
顔は見えない。だけど、耳に彼の声がハッキリと聞こえる。
「おれ今、めちゃくちゃあゆさんが欲しい」