ワケありオンナとワケあり男子の共同生活


ジャージはもうあきくんのものだし、ベッドで身体を重ねた回数もあきくんの方が多い。

台所でご飯を作るあきくん、ご飯食べながらテレビを見て笑うあきくん。部屋を見渡すと思い出すのはあきくんのことばかり。

わたしはあきくんが好き、なんだ。




30分後、カオルから連絡がきた。

『あゆちゃん、もう着くよ』

カオルからこの連絡が来る時にはもうだいたいアパートに着いていて、階段を上っていたりする。

なんとなく重い腰を上げて玄関まで行った。ドアを開ける。

階段がある方を見ると、階段を上りきったカオルがこっちに向かっている。いつもこんな感じだ。少し気だるそうに歩いている。

「あっ、あゆちゃん」

ドアが開く音でこっちに気づいて、カオルはニヤッと笑って名前を呼んだ。ちょっとなはずなのにすごく久しぶりな感じがする。

「今日バイト休み?」

ドアを開けたまま、手招きした。“お邪魔します“も何も言わずに当たり前のように玄関に入った。自分の家に帰ってきたみたいに。

今までそこまで気にならなかったことが気になる。わたしはドアを閉め、鍵をかけた。


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