ワケありオンナとワケあり男子の共同生活
彼は頭の後ろに手を持っていって、後ろ髪をクシャリと握った。
「昨日のことがあって、あゆさんは前に進めたと思ってた。思ってたのに……また見たことない人がいて、たまに部屋で匂っていた香水の匂いがしたから……ああこの人が家に来ていた人なんだって」
たまに匂う女物の香水にばかり気を取られていた。カオル自身何か香水をつけている、それが部屋に残ることまで考えていなかった。
これでバレていないと思っていたわたしの頭は本当におめでたい。
さっきまで逸らされていた視線がまたわたしと絡んだ。なんだろう、少し泣きそうな表情をしているように見える。
「あゆさん、ごめん……おれ」
頭の後ろにあった手は勢いよくドアノブを握りしめた。靴を履いたままだった彼の足はドアが開いたと同時に動いた。
「あきくん!」
あっという間にあきくんは玄関から消えてしまった。
「あきくん……あきくん……」
名前呼んでも今はもう声は届かない。今までやってきたことに対してバチが当たったんだ。世の中そんなに上手く出来てはいない。だらしないことしてたから、バチが当たったんだ。
これじゃあ、タクヤさんと同じだ。