ワケありオンナとワケあり男子の共同生活
「おれ、ずっと、あゆさんが欲しかった」
顔は見えない。けど、顔は近いから声はよく聞こえる。
「一緒に住み始めたころは恋愛感情とかまだなかった。でも、肌に触れた時、自信をなくてしていた自分を受け入れてもらえた気がした。人と付き合うことやセックスが怖くて逃げていた情けない自分さえも受け入れてもらえた、そんな気がしたんだ」
自信をなくしていたのはわたしだけではない、あきくんだって同じだ。理由は違えど、恋愛が怖くて逃げていたことには変わりない。
「一緒にいて幸せな気持ちになっていたのはおれも同じだった。だからこそ、あゆさんに触れる男が他にいることが辛かった。嫉妬で狂いそうだった」
今わたしが女の子に対して嫉妬したようにあきくんも嫉妬していた?全然そんな風には見えなかった。気づかなかった。
「彼氏でもないし、おれがセックスに自信がないからって理由でセックスの相手をしてくれているあゆさんに重い男って思われるのが嫌だった。盛っているって思われるのも嫌だから自分からは求めないようにしてた」